ゴラカ

南インドのコダンプリおおもりやさんのアスパレケケラカリーCHAMABEEFMASALA付き」をランチに頂いた。コダンプリというのはスリランカでよく使われるスパイスで、魚の臭みを消したり酸味を抑えたりする効果があるらしい。別名ゴラカ。ひと月前からずっと気になっていたお店。前回来訪時は閉店していた。限られた営業日の中で今回は食事できることに感謝。店内にディスプレイされているカレー雑誌を手に取りパラパラと捲っていると、店員のお姉さんが待望のカレーを持ってこちらへやってきた。本日のメニューの説明を聞き終わり視線を彼女からお皿に映す。目に入ってくるのはパクチーとアスパラ。食欲をそそる盛りつけにテンションが上がる。サフランだろうかターメリックだろうか、黄色に着色された半球型のライス。それとビーフマサラ。いただきます。一口目、辛い。二口目、美味い。辛さと美味さがいたちごっこに舌を突き、朝起きてから何も食べて来なかった空腹の胃をスパイスがくすぐる。納得の1000円。ごちそうさまでした。店を出ると今日も食後の珈琲を求めて一休憩がてら自転車を走らせる。20分で店に着いた。初めて入るお店で目をキョロキョロさせていると店員からの案内があり注文口まで歩を進める。何を飲もうか、普段通りブレンドにしようかと一通りメニューに目を通しているとドリンクメニューの横に置かれたかき氷のPOPに目が留まる。10秒程逡巡した後、まだ夏を終わらせたくない意地が自分の中の何かを叩きかき氷に。プレミアムカカオスペシャル、1300円。1300円て。同じチョコ氷でもクリームを乗せると+500円。かき氷にしては絶対に割高だ。強気すぎないかと注文しているときも席に着いてからも何度も思った。しかし800円のクリーム無しのチョコや抹茶の氷より氷納めとなるだろう一杯だ、構わん構わんと全力を注ぐんだそうだそうだと自分を納得させること10分。氷が席に運ばれてきた。でかい。写真通りのスケールであることを確認しスプーンを手に取る。小さい紙コップに入っておまけのホットコーヒーが追加でやってきてまず氷を一口頂く。てっぺんに乗ったチョコレートアイスの周りを土星のように周ったチョコクリームがスイート。これが良い。氷より遥かに好き。だが盛り付け上これは仕方ないことなのだが、氷よりも先にアイスとクリームが無くなってしまう。氷よりもあのチョコクリームをまだ食べていたいというモヤモヤした気持ちを胸の辺りに残したまま、少々辟易しつつ溶けかけた氷を口に運ぶ。終いには唯一氷が残ったグラスをただジッと見つめてひたすら救う。これではフードファイターみたいだ。完食。空のグラスを目の前にして腹十分目のお腹と1300円という数字に罪悪感を感じつつ店を後にする。こうは言っていてもまた飲みに来たいと思う美味いコーヒーだった。チョコレートもgood。だが氷は水ということで大量の水分で腹はタプタプである。今日は珈琲を二軒ハシゴできればなという考えは遠い青空の彼方に消えていった。なんだかなとコーヒーショップのすぐ側で営業しているセカンドストリートにやるせなく寄る。まあ服だらけ。古着の取り扱っている数の多さに仰天する。次に服を買い替えるときは大体ここで済ませられるんじゃないかという位の魅力的な品々が工場のように規則正しく陳列されている。ふらっと寄った割の想像を超えた世界でカラダをワクワクさせてお出かけを終える。帰宅。またクリント・イーストウッドの映画を観る。すっかり彼に虜になっている。「硫黄島からの手紙」「ダーティー・ハリー1」「ダーティー・ハリー2」。雲一つ無い快晴の空がベランダの向こうに広がっていようと、斜光カーテンを閉め切った真っ暗な部屋で昼の3時から映画を観ることに後ろめたさを感じないのは外出自粛ムーヴのおかげ。特に惹かれないあらすじが並んだ大型シネマコンプレックスよりも、まだ観ていない名作の数多を家で観ることに充実感と倹約家の志を感じる。そう、倹約家。f:id:yuma_a:20210906172411j:image